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執筆者の写真diamondhake

「ステファノ・ビジ/stefanobigi」が日本で愛され続ける理由

更新日:2020年3月19日


イタリアのネクタイ・ブランド、ステファノ・ビジ。ー蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:facebook.com

「ステファノ・ビジ/stefanobigi」は日本市場のためのブランド名で、世界的には「ビジ・クラヴァッテ」もしくは単に「ビジ」として知られています。この記事では「ステファノ・ビジ」の表記を使用し、「ビジ・クラヴァッテ」を含めたものとして執筆しています。

 
イタリアブランド、ステファノ・ビジ。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

ステファノ・ビジは現在に至るまでにブランドの名称や所在地を変えながらも、創業以来のハンドメイドのネクタイメーカーとして高い評価を得ています。

現当主ステファノ・ビジ氏の母方の祖父ルイジ・ドラギ氏がネクタイメーカーを設立したのは1938年のことです。

1938年、ルイジは友人との共同出資によってミラノのコッリドーニ通りにネクタイ製造会社を設立しました。1954年にブランド「ルイジ・ドラギ/Luigi Draghi」を開始し、その後の1976年にルイジは引退。後を継いだのが二代目当主ダニエレ・ビジで、ステファノの父親です。

ダニエレ氏は、1980年代に訪れたバブル期にも大量生産型のネクタイではなく、イタリア製とハンドメイドを強調したブランド「ビジ・クラヴァッテ・ミラノ/Bigi Cravatte Milano」をスタートさせました。「ステファノ・ビジ」は日本と韓国をはじめとしたアジア圏で販売する場合のブランド名です。

1980年代には多くのネクタイメーカーが乱立することとなりましたが、生き残ったのは伝統を頑なに守り続けた少数のブランドだけです。現在、ステファノ・ビジは年間で4万本のネクタイを生産しています。

結局のところは職人によるハンドメイドの高品質なネクタイを作り続けたブランド戦略が正しかったのです。

三代目当主としてステファノが会社を引き継いだのは1997年のことでした。以後、高品質なハンドメイド・ネクタイのブランドとしての地位を確立させ、世界的に高い評価を得ています。

 
イタリアのネクタイブランド、ステファノ・ビジ。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

ステファノ・ビジのネクタイの特徴は、すべての製作工程を手作業で行なっていることでしょう。

三代目社長ステファノ・ビジと姉のパオラ・ビジがデザインするネクタイ生地は、常に新鮮でクラシックでありながら、イタリア的エレガンテと都会的なミラノのエッセンスが感じられます。

ステファノ・ビジを経営するステファノとパオラ。蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

生地はイタリア・コモや英国の老舗ミルが織り上げる最上級のシルクを使用しています。英国産が使われているのは主にプリント生地でプリント・シルク全体の約80%を占めています。

英国産のプリント・シルクが使われているコレクションは36オンスと50オンスのイングリッシュ・ツイルのネクタイで、伝統的なハンドプリント製法が採用されています。

ウール製のネクタイ生地にはビエラ地方の織り元が造る、カシミヤやシェトランド、タスマニアウールなどの高品質な生地で製作されています。

ステファノ・ビジのネクタイ工房は、ミラノのポルタ・ティチネーゼにある事務所のすぐ隣の部屋にあります。この小さな工房で裁断、品質チェック、出荷作業が行なわれます。手縫いの部分は、ミラノ在住の女性アウトワーカー12人が自宅に持ち帰り内職で仕上げています。

通常、ネクタイメーカーが抱えているアウトワーカーは出来高制で働いています。ですから、1本でも多くのネクタイを縫い上げるために高速で作業を行なう。もちろん、品質は担当した者によってもムラができてしまいます。

しかし、ステファノ・ビジの場合は出来高制ではなく社員として給料制を取ることで、無理な生産ノルマを課すことなく、製品の品質を保っています。それがステファノ・ビジの創業以来の生産体制なのです。

ステファノ・ビジは社員27名、従業員15名、アウトワーカー12名という小規模の会社を維持しており、家族経営の強みを活かした個性的なコレクションを毎シーズン発表しています。

ステファノ・ビジの工房。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:bigicravatte.it

ウール芯とコットン芯の両方を使ったダブル芯や、ジャカード織りのつむぎ糸にブーレット、ブクレ、ノップなどの異なる組成の糸を使い分けるあたりも小規模ブランドならではの強みでしょう。

また、トランクショーなどの際に小さな生地見本ではなくネクタイ2本分の生地で顧客に完成のイメージを抱かせようとする配慮もステファノ・ビジならではの特徴です。

 
ステファノ・ビジの扇子。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

特に日本での人気が高いブランドです。

なぜステファノ・ビジは日本で愛され、支持され続けているのでしょうか?

これは伝統と職人の手仕事に対して敬意を払う日本の文化によるところも大きいでしょう。しかし、ステファノ・ビジ氏自身が日本人の妻を持ち、日本を好いていることも無関係ではないと言わざるを得ません。日本好きが高じて扇子まで作ったりしています。

ステファノ・ビジ氏自身は若い頃から世界を旅するのがお好きだったようで、特に中国、インド、日本などのアジアを周ることが多かったようです。イタリアブランドながらも日本文化が好きで、一方日本人はイタリアが好きなので相思相愛なわけですね。

ステファノ・ビジのネクタイのデザインセンスに、どこか東洋的なミニマリズムのようなものが感じられるのはそのためかも知れません。気のせいかもしれませんが。

総合的に言って、ステファノ・ビジは幅広いデザインを器用にこなしているブランドという印象です。トラディショナル、クラシック、ポピュラーなど様々なスタイルのネクタイのコレクションを持っています。

ステファノ・ビジのクラシック・コレクションはブランドタグがネイビーで、カジュアル・コレクションのタグは明るめのブルーを使用して区分けしています。

日本で販売されているステファノ・ビジは幾らか軽快なデザインのものが多いように感じますが、これは各ショップの意向によるものでしょうから、トレンドによって変化することでしょう。

取り扱いはビームスやトゥモローランドなどのセレクトショップ、また伊勢丹やバーニーズ・ニューヨークでも販売しています。

ネクタイブランド、ステファノ・ビジ。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

 
ステファノ・ビジの蝶ネクタイ。-蝶ネクタイ専門店ダイヤモンドヘイク

出典:instagram.com

ステファノ・ビジは蝶ネクタイも少数ながら生産しています。手結びタイプでサイズが調整できる蝶ネクタイを販売しています。

日本市場を意識したネクタイで社長が日本好きのイタリアブランド、ステファノ・ビジ。

カジュアルなジャケパン・スタイルがお好きな人におすすめのブランドです。色合いとしては明るめのネイビーが好きな人、柄の好みとしては、アメリカ的な強いコントラストではないストライプが好きな人におすすめのブランドです。

stefanobigi公式サイト

stefanobigi公式フェイスブック

stefanobigi公式インスタグラム

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