出典:instagram.com
「GIERRE」は日本では「ジエレ」として認知されていますが、イタリア語の発音に寄せて表記すると、「ジエッレ」となります。
この記事では「ジエッレ」の表記を使用します。
ジエッレは1981年にイタリアのミラノにて小さなネクタイメーカーとして創業しました。
初代オーナーのジャンカルロ氏は、「すべて自分の目の届くところで作りたい」という職人気質のポリシーを持っており、ジエッレのネクタイは彼の目の届く範囲で小規模に作られています。
現在は息子のアンドレアが二代目のオーナーを務めており、高品質なネクタイを作ることで多くの一流ブランドの信頼を勝ち得ています。
ジエッレは今や多くのブランドのOEMを手掛けており、北イタリアの有名セレクトショップを始め、世界中のショップからの別注にも器用に応じる名門ファクトリーへと成長しました。
数年前にアンドレアがオーナーになってからは、ネクタイ以外にもストールやチーフなどの小物の製造も開始しました。なかでも素材感ある生地で作られるストールは世界的に高い評価を得ています。
出典:instagram.com
出典:instagram.com
ジエッレのネクタイの多くは、イタリア北部のコモ湖近くで生産される生地を使用しています。
コモはシルクの名産地として世界的に広く知られており、多くのイタリアブランドがコモにある工場でネクタイ生地を生産しています。
ジエッレのネクタイは、自社の工房にて裁断を行ない、ミラノ 郊外で縫製、そして自社で最終検品されています。
ジエッレのネクタイは他ブランドがあまり使わない珍しい生地で作られることも特徴です。ジャケット生地に使用されてもおかしくないような地厚な生地でネクタイを作ることもあります。
こうした特殊な生地でネクタイを生産するためには、小規模なファクトリーの高い技術力が必要です。世界中に大量に商品を供給するハイブランドには真似できないことなのです。
ジエッレは、ウールやリネンなどの素材感のものを得意としており、色柄はどこかしら統一感があります。
マットで落ち着いた色出しや質感は、ミラノの洗練された都会的なデザインと、モダン・クラシックを組み合わせた雰囲気を演出しています。
イタリアのフィレンツェで毎シーズン行われるメンズ展示会ピッティ・ウォモでも、独特のカラーリングとコンポジションで異彩を放つブランドです。
なぜジエッレのネクタイは魅力的なのか?
それはジエッレが他ブランドにない質感で異彩を放っているからです。
出典:instagram.com
初代オーナー、ジャンカルロのスタイルは典型的なミラノファッションですが、息子のアンドレアは今風の若者ファッションで対象的です。
一口にイタリアと言っても、世代間ではスタイルには大きなギャップがあるのが面白いところです。ジャンカルロの世代が好きなのはジャンニ・アリエッリで、息子世代はラポ・エルカンの影響を受けているわけです。
現オーナーのアンドレアは蝶ネクタイが好きだったりしますので、ジエッレは蝶ネクタイも作っています。
ジエッレの蝶ネクタイはあらかじめ結び目が作られているピアネス・タイです。
ネクタイ同様のザックリとした素材感の蝶ネクタイを生産しています。
出典:instagram.com
最近は日本でもビームスなどのセレクトショップや百貨店が別注をかけて販売しているので、認知度が高まってきています。
落ち着いた素朴な雰囲気と都会的なモダン・クラシックを両立している印象です。
わたしの個人的なイメージでは秋冬のネクタイに強いブランドですね。
イタリアのミラノは芸術的なセンスと高度な職人技術を守り続けてきた街です。
そんなミラノで成長した小さなネクタイ工房がジエッレです。
ジエッレはイタリアブランドですが、ジエッレが好きな人は英国クラシックも好きな印象です。
英国製のハリス・ツィードのジャケットに、ジエッレのウール製ネクタイのコーディネート。ドストライクの趣味ではないでしょうか。
GIERRE公式サイト(2017年06月現在、閲覧できません)
GIERRE公式インスタグラム
素材感ある個性的な蝶ネクタイが欲しい?
DIAMOND HAKEショップページへどうぞ!
Comments